「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(豪快の巻)
昨夜の晩酌です。
高麗の土器の徳利は、自然釉がダラダラ、ボタボタと豪快に流れ落ちて素晴らしい景色となっています。食膳上の写真だけでは分かり難いので、横にして撮った写真を別に載せております。こちらで、流れ落ちた自然釉が下で液溜まりになって止まっているところまでご確認いただけます。光の当たり方によって、まるで別の物かのように色が違って見えますね。現物の色は、横にして撮った写真程には鮮やかな緑色ではなく、食膳上の写真の方が現物の色に近いです。
しかし、こちらの徳利は最後の写真でご確認いただける通り、キズ物です。自然釉が流れる面の裏側の側面にあたりキズが有り、共色直しがされていました。自宅に持ち帰ってから煮沸して発覚し、前の五輪担当大臣ではないですが本当にガッカリしました(笑)。水漏れはしなかったのですが、煮沸した結果、表面のコーティングが剥がれ、キズを埋めた石膏のようなものが露出していましたので、写真のように銀直しをしてもらいました。
刷毛目の平盃は、直径が10.5~10.7cmと大ぶりですが、白泥が豪快に厚掛けされた刷毛目が目を引きます。写真では少し分かり難いのですが、見込みの中心のほんの少しの部分だけを残して、白泥がたっぷりと掛けられています。最後の写真でもご確認いただいていますように、裏面にも高台の部分を除くほぼ全面に、白泥が筆で厚掛けされています。この刷毛目は、これから使って行けば、益々いい味がついていくでしょう。コンディションは、欠けの小さな金継が2箇所と口縁にニュウが3本あります。
蒸し鶏のピリ辛ソースがけは李朝初期片手の深皿に、いんげんの胡麻和えは李朝末期分院の白磁小鉢に、じゃこおろしは李朝初期の堅手茶碗に盛り付けてみました。長野のNさんから頂いた大根と天神さんで買ったチリメンジャコも、これでおしまいになりました。食器については、堅手や白磁ばかりで、全体の色合いがちょっと地味だったかなと反省しています。