「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
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昨夜の晩酌(首折れの高麗青磁堆花紋徳利の巻)
昨夜の晩酌です。
調べてみたところ、今月がこれで2回目、今年に入ってからもまだ4回目だったんですね。糖尿の数値が少し改善するまで、当分はこのペースでやっていくことになると思います。そういいながら、ビールは結構飲んでるんですけどね(笑)。
赤上がりの盃は、李朝後期民窯のものでしょう。見込み、高台内とその周辺に赤みが出ており、高台周辺にはカイラギ状の釉薬の塊りも見えます。形状も碗形に口の開いたものではなく、筒状に立ち上がっているのが、この手の赤上がりの物としては珍しいと思います。さらに、このようによく焼き上がっており釉薬のツヤもいいのも、この手の物としては珍しいと思います。圧倒的に焼きの甘いものが多いですからね。
と、随分と褒めましたが、この盃、入手してからは10年以上にはなると思うのですが、実際に使うのは本当に久しぶりでした。入手してしばらくの期間に数回使ってみて、それ以来だと思います。見どころの多い、景色のよい盃なのですが、このように良く焼けた、釉薬がしっかりしてツヤがよい盃というのは、使用による味が付き難い、即ち育ち難いのです。育てる楽しみがないとなると、どうも登板機会が無くなってしまうという傾向が、私の場合はありますね(笑)。
高麗青磁堆花紋徳利は、口が金直しというよりは、首がぽっきりと折れてしまい、首から上が全て金直しといった状態です。一般的には、堆花というと黒・白などの土を器物の表面に盛り上げ、絵や文様を表す技法やその器、またはその紋自体のことを言うようです。堆花紋の高麗青磁は希少です。ただ、このようにお花が1つずつのものより、3つ、4つと固まって記されている物が多いです。
実は、この徳利も久々の登板となりました。これも10年ぐらい前に入手し、その時に1回使ってみただけだったような気がします。形状も容量も悪くはないし、首折れとはいえ、ちゃんと使用に問題ないように金直しがされているので、全く問題はないのですが、この蒔絵直しの絵はどうにも気に入りませんね。どうも私は、金直しの上にする蒔絵直しというのは元々好きではありません。何かうるさいというのか、金だけで直してある方がすっきりしていいですね。銀直しが経年により黒く、いぶし銀になったのも好きですけどね。この徳利の口に描かれた絵は、胴部に描かれた堆花紋を模して描いたようなのですが、全くそうは見えません。昨日見た時は、新型コロナウィルスのようにすら見えました。いや、でもこれは不謹慎な発言ですね。申し訳ございませんでした。
蒲鉾の天ぷら2種は李朝後期白磁の祭器台皿に、大根のお漬物は高麗青磁白象嵌菊花紋八角小鉢に、もずく酢は三島の小鉢に、それぞれ盛り付けてみました。