「李好のヌシ」
当店で開店時から売れずに店頭にある商品を当店の「ヌシ」としてご紹介いたします。
売れていないからと言ってつまらないものだということではなく、存在に気付いてもらっていなかったり、そもそもそれが何なのか分からずにスルーされて来たような商品を、ここでご紹介・ご説明しおります。
よく他店のホームページ等の新着商品や自慢の商品の紹介などとは、趣向を変えた形での商品紹介にしています。
李好のヌシ 第七話「祭器」
新型コロナ禍の方は、緊急事態宣言が3週目を過ぎたところの本日、東京の感染者が868人と金曜日であることを考えると減少傾向の数値でしたね。今週に入ってからは東京の感染者数が1,000人前後を推移しており、まだまだ高水準だはありますが、ようやく緊急事態宣言の効果が見え始めたというところでしょうか。このまま減少して行ってもらいたいですよね。
新型コロナ禍の影響を受け、既にお知らせしたとおり、今月は21日の東寺・弘法市も25日の北野天満宮・天神市も中止となりましたし、来月の東寺ガラクタ市(第1日曜)まで、開催中止が決まっています。緊急事態宣言ほ、来月7日には解除されずに延長のような雰囲気ですので、来週の開催も微妙ですかね。
そんなネタのない時のヌシ様頼みではないですが、久々にヌシ様にご登場いただきます。今回が第七話になるんですね。前回第六話が昨年の10月4日で、かなり久しぶりになりますので、今一度「李好のヌシ」の定義について、簡単にご説明しておきます。
こちらは、当店李好において開店時から売れずに店頭にある商品を当店の「ヌシ」としてご紹介するというものです。詳細につきましては第一話に詳しいので、そちらをご参照くださいね(「李好のヌシ 第一話(2020年8月7日作成の記事)へは、こちらをクリック)。
今回のヌシ様は、1番目の写真の李朝染付祭字紋祭器台皿です。李朝後期分院の作で直径18.7cm、8.5cmと李朝の祭器としては大きめの物です。見込中央部に「祭」の字が染付で描かれています。青みを帯びた美しい肌、堂々としたサイズと美しいフォルム、しかも、高台に窯キズこそありますが無傷です。なぜヌシ様となってしまったか? 多分、お値段でしょうかね(笑)。
その他、店内にある祭器の写真も掲示しております。これら祭器は、韓国でお祝い事や祭祀の際のお供え用に使われた器です。高台が高い作りになっているのが特徴ですね。3番目の写真のように、高台が面取りになっているものは希少です。台皿につきましては、4枚目の写真のようにお菓子や果物などを高く積んでお供えしたものです。ちょっと分かりづらいかも知れませんが、拡大して台の上の器を確認してください。写真は戦前日本の植民地時代に製作された絵葉書で、還暦のお祝いです。台鉢は汁物をお供えする時に使われた物です(写真5番目参照)。
祭器の素材としては、今回のヌシ様のような磁器の他に、木製の物と真鍮製の物があります。当店には磁器と木製の物がございます。現在の祭事やお祝い事の際に使われる祭器は、木製の物が多いようです。6番目の写真の右後方の木製祭器は盃台です。中央の窪んだところに、木製の盃を置くようになっています。購入時に盃はありませんでしたが。
磁器製の祭器を、私は酒の肴を盛ったり、お菓子を盛ったりといった用途で使っています。「昨夜の晩酌」でも何度かご紹介していますし、毎年6月末には「水無月」というお菓子を、秋の中秋の名月の時には月見団子を盛っています。最後の写真のお菓子が水無月です。また、フルーツを盛り付けてもお洒落だと思います。ぜひお試しください。
もしかしたら、来月も何度かヌシ様にご登場いただくことになるかも知れません(笑)。