「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(直しの直し盃の巻2)
今日は第1日曜日で、東寺ガラクタ市の開催日ですが、私は行きませんでした。ここしばらく、21日の東寺・弘法市と25日の北野天満宮・天神市の開催中止が続いていたため、ネタがないので何度かこちらのガラクタ市にも足を運んでいましたが、先月からは両方がそろって開催されるようになりましたので、もういいかなと(笑)。
東寺ガラクタ市は、弘法さん・天神さんとは違い、飲食物のお店などが無く骨董やガラクタを扱うお店だけが出ており、骨董ファンにはこちらの方が人気のようです。しかしながら、私の場合は、韓国の物が出ないということもありますが、やっぱり飲食物の露店が並ぶ、あの感じが好きです。弘法さん・天神さんに行っても、ほとんどの場合、買って帰って来るのはチリメンジャコと干し芋、お野菜(主に根菜類)や漬物類などですから(笑)。お前それでも骨董屋か!と言われてしまいそうですが、まあ、もちろんいい物があればと思って見てはいますが、一番の目的は気分転換ですから(笑)。
そんな訳で、翌日早起きする必要もなく、おでんをいただいたこともあり昨夜は晩酌しました。
おでんを盛った鉢は、李朝末期の陶質のものです。大きさと深さがありますので、おでんなどは出汁も入るため、大変重宝しています。これより一回り小さい物も1つありますので、分量によって使い分けています。
高麗徳利は、今回が3度目の登板となります。前回が今年4月29日、その前が2018年10月18日でした。最初の登板の時は、まだこの「昨夜の晩酌」に副題を付けていなかった時です。ころりんと丸っこい可愛らしい形をしています。口縁に4箇所の金継ぎがあります。これらは以前に私が自分でしたものです。そういったこともあって愛着があり、一時はこれをよく使っていました。容量が1合8勺程です(高麗徳利の以前の記事をご参照になるには、2020年4月29日の記事はこちらをクリック。2018年10月18日の記事をご覧になるにはこちらをクリックしてください)。
赤上がりで大振りな盃は、前回同様に私自身が金直しをしようとして、うまくいかずに投げ出して放置していた物を、プロにお願いして仕上げてもらったものです。このような欠けの金継ぎの場合、欠損部をパテなどで形成し、その上に漆を塗って乾かしてから磨ぐという作業になるのですが、前回も言いましたが、私の場合は金をうまく撒けないので、漆に金を混ぜて塗り付けていました。これだけでも、結構な金の無駄使いです(笑)。そうやって磨いていても、やり過ぎて下地のパテが出てきてしまう、という失敗を当時よくやらかしていました。そこで考えたのが、パテで下地を作るから磨ぎ過ぎた時に地が出てくるので、最初からパテ使わずに漆と金を重ね塗りしたところを磨げば、そもそも下地が出てくることは無い。という馬鹿な発想から、とんでもない量の金の無駄使いを実行したのでした(笑)。乾かせるのにも、結構な日にちがかかったと記憶しています。そこまでしたにもかかわらず、やはり表面をきれいに仕上げることができず、10年ぐらい放置していた物を、この度プロの手によって写真のとおりに仕上げていただいたのです。やっぱりプロの技術は高いですね。お陰様で、赤上がりの良い盃がやっと使えるようになりました。
酒器と言えば、当店では昨日12月5日(土)より、年末年始用に李朝酒器を追加出品いたしております。詳細につきましいては、こちらをクリックの上、ご確認ください。