「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(台風6号接近および台風7号発生の巻)
大型の台風6号が沖縄のあたりに1週間ほど停滞していまして、被害の方が心配されます。停電に断水もあったようで、この猛暑のさなかにエアコン無し、水無しの生活を強いられるというのは命にかかわりますからね。早く復旧するといいんですけどね。その台風6号の今後の進路ですが、当初はもっと東寄りのルートで九州や四国への上陸が心配されていましたが、幸い随分西よりに進路が変わったようで、九州への上陸もなさそうです。
ただ、九州の西側の海上を北上するため、九州が台風の進路の右側になるので、台風の影響による強い風雨が心配です。台風は時計と反対回りに渦を巻いていますので、 進行方向右側は台風の反時計回りの渦と進行方向の風が重なるため、風が強まるのだそうです。
台風6号は九州の西沿岸を北上した後、朝鮮半島を南から北へ縦断するコースを進むようです。先月韓国でも集中豪雨による被害が出ていましたので、被害が大きくならなければいいんですけどね。
そう言っている間に、もう次の台風7号が日本列島の南の海上に発生しました。こちらはまだ進路がはっきりとはしませんが、よほど進路を東に進んでくれない限り、本土のどこかに上陸することは間違いなさそうです。今週末ぐらいには進路がはっきりしてくるのではないでしょうか。心配です。
心配は尽きませんが、そんな時でもとりあえずは晩酌です(笑)。
李朝分院末期の盃は、過去にご紹介したことがあります。いつごろか何回目になるかは、もうはっきり覚えていませんが(笑)。この手の分院末期の盃も、以前に比べると入手が難しくなってきましたね。この手の分院末期の盃は、もう少し大振りの物が多いのですが、この盃はやや小ぶりでいいサイズです。測るのを忘れていたのですが、口径は7cmから7.5cmの間ぐらいかと思います。見込みの釉溜りがきれいなのですが、写真では全体に青が強く出てしまっていて分かり難いですね。光の関係があるのでしょうけど、どうもスマホで青みのある白いものを撮った時はこんな風になってしまいますね。高台は分院末期の作に多い粗めの砂付きになっています。
こちらも小振りな黒高麗の徳利は容量が一合に満たない八勺徳利です。小さすぎるため、これまでほとんど使っていなかったのですが、最近は登板機会が出てきました。これに限らず、最近私が晩酌に選ぶ酒器が全体的に小さめになって来ていますね(笑)。
お料理の方ですが、かき揚げは李朝後期分院の白磁皿に、魚そうめんは李朝初期の堅手茶碗に、茄子と胡瓜のごま和えは李朝初期の白磁小皿に、うずらのゆで卵は李朝初期堅手の豆皿に、それぞれ盛り付けてみました。
うずらのゆで卵は、昔韓国で酒のおつまみによく出てきましたね。日本のお通しみたいにお金とられるのではなく、サービスでしたよ。殻をむくのに自分のおでこにぶつけて割ってみたりしてましたね(笑)。80年代末~90年代前半頃の話です。そのころの韓国の酒場では、うずら卵の殻やらピーナツの皮やら殻やらそんなものがテーブルの上はもちろん、足元の床の上にもいっぱい捨てられてましたね。「どうせ最後に掃除するんだからいいんだ」っていう感じでしたね。ワイルドでしたね(笑)。今は随分お上品になりましたよ。当時のこと、いろいろと懐かしく思い出しました。
昨夜の晩酌(お久しぶり粉引登板の巻)
京都では最高気温35℃を超える猛暑日が、もう半月以上続いていますね。今年の猛暑は一休みの間もなく続いていますので、体にこたえますね。
沖縄では超大型の台風6号が停滞中で、被害もそうですし航空便の欠航で観光客らが足止めされてしまっていて、大変お気の毒です。停電の続いている地域もあるようで、生活が大変ですよね。停電中ですから、エアコンは使えない暑い中、冷蔵庫も止まってしまいますから食品の保存もできないし、冷凍食品なんかも全部溶けてしまってアウトですからね。
今一旦、沖縄本島は暴風域を抜けたようですが、再び接近の恐れがありその後は東に進路を変えて、九州、四国方面に向かうと予想されています。そうなると近畿にも影響がありそうで心配です。
そんな状況下ではありますが、昨夜は阪神戦のTV中継を観ながら晩酌しました。
粉引の平盃は久々の登板となりました。登板間隔が空いたのは店に出していたからで、昨日持ち帰って久々に使ってみました。この粉引平盃、最大径が10.5cmとなかなか出会うのが難しいサイズです。もちろん、平盃のサイズとしては10cmを切るサイズだといいに決まってますが、粉引でそのサイズとなるとなかなかお目にかかれないですね。
金継ぎが3か所あり、一番大きな部分は呼継ぎだと思いますが違和感なくよく出来ています。この金継ぎは後からやり直してもらったもので、もともとはベージュ色の漆による直しがされていました。2番目に大きな部分もそうでしたが、一番小さい金継ぎの部分は共直しがされていて、入手時には分かりませんでした。全て金継ぎにしてもらい、その後よく使ってよく育ち、いいアジになりましたね。高台の内側にも欠けが一か所ありますが、こちらは手を加えずそのままにしています。
逆に、登板間隔が短いのがこちらの三島の徳利です。ついついこれを選んでしまうんですよね(笑)。こちらもキズ物ですが、独酌に最適なサイズ、それとすべすべしたカセのない肌が気持ちよくていいですね。
お料理の方ですが、焼鮭は李朝末期分院の染付大皿に、大根煮も李朝末期分院染付の小皿に、おからは三島の小鉢に、胡瓜の酢の物は李朝初期白磁の小皿にそれぞれ盛り付けてみました。
昨夜の晩酌(溜と垂の巻)
各地で梅雨明け宣言が出されていますね。近畿は2日ほど前に出たと思いますが、もう九州を除くほぼ全国が梅雨明けしたようです。九州より関東や東北が先に梅雨明けなんですね。梅雨というのは、梅雨前線が南から北へ移動して行くので、南から順に明けていくものというのが我々の常識でしたが、今年の梅雨前線の動きというのは、そんな単純なものではなかったですね。
梅雨明けしたら、これからは猛暑日が続くんでしょうね。昨日は猛暑日で、今日も多分京都は35℃超えでしょう。これからまだ一か月程はこれが続くんでしょうね。考えただけでもしんどいです。エアコンつけたままにしないと夜眠れないし、夏場は電気代もかかるので大変です。
そんな猛暑の中、昨夜の晩酌です。
見込みのビードロ釉が大変美しい盃は、焼成時に窯の中で傾いた状態になっていたことにより、このように釉溜りが生じたものです。時代は李朝末期だと思いますが、これほど大きくて立派な釉溜りは他に見たことがありません。宝石のようで実にいい景色です。口縁に2か所金継がありますが、前回使用した際に、金継した箇所のうちの1箇所が外れてしまいました。直しをお願いして戻って来てから初めて使ってみました。店に出していたのですが昨日持ち帰り、今日持ってくるのを忘れてしまいましたね(笑)。
徳利の方は、自然釉がダラダラ、ボタボタと豪快に垂れた高麗の土器です。なかなかの素晴らしい景色ですが、残念ながらこの徳利もキズ物です。写真にあるように、自然釉が垂れているのと反対側の面に結構大きめの直しがあります。この部分、最初は共直しがされてい分からなかったのですが、煮沸したら出て来ましたよ(笑)。それで銀直しにしてもらい、現在の姿となりました。
お料理の方ですが、焼き鱧は李朝後期分院の染付壽字紋皿に、焼き鱧入り胡瓜の酢の物は三島の小鉢に、豆腐素麺は李朝初期の堅手茶碗に、ほうれん草のお浸しは李朝初期の白磁小皿に、それぞれ盛り付けてみました。
この時期は鱧が旬で美味しいです。祇園祭のことを「鱧祭」とも言うということはよく知られていますね。私も鱧大好きです。焼いた鱧も落とし(湯引き)も天ぷらも全部好きです。
昨夜の晩酌(青華コンビの巻)
昨日は病院の日でしたので、こちらの「お知らせ」欄でご案内した通り店を開けるのが遅くなりました。午後3時以降に開店とお知らせしていたのですが、2時には店に着きましたね。まあ、お客さんは無かったですけどね(笑)。
検査の方も問題ありませんでしたので、昨夜はすぐに晩酌です(笑)。昨日は阪神戦のTV中継がこちらの地域ではありませんでしたので、少し残念でしたが、まあ昨日は負けましたからね4-0で。負け試合は観られなくてもいいです(笑)。
染付牡丹紋の盃は、李朝後期分院の作です。口縁部に窯キズと胴部にヒッツキの剥がれのような跡が見られますが、他にキズや直しはないものです。見込みに染付で書かれている字は「福」の字だと思いますが、字が小さいのちょうど字の真ん中あたりにフリモノがあり、ちょっと判別しずらいですが「福」でいいと思います。サイズもよく日本酒を飲むのには大変よいです。ただ、このような分院の染付盃も何点か持っていますが、使うことは少ないですね。個人的には使うたびに味がついて育っていく姿が目に見えるような盃が、育てがいがあって好きです。
染付の丸っこい徳利は乳瓶です。乳瓶は初めての母乳をお供えする器と言われています。染付で蘭草紋が両面に描かれていますがかなり崩れた感じの絵です。染付の色も黒っぽいです。こちらは民窯の染付蘭草紋徳利(乳瓶)でいいと思います。李朝の乳瓶というと白磁の面取の物がよく知られており人気ですね。ただ、その手の物は容量が1合にも全く満たず酒器として使用するのが難しいものが多いですが、こちらは容量が2合ぐらいです。
お料理の方ですが、牛肉とキノコ、インゲンの卵の煎り付けオイスターソース炒めは李朝初期の堅手皿に、おからは三島の小鉢に、ブロッコリーのお浸しは李朝初期白磁の小皿に、ちりめん山椒は李朝初期堅手の平盃に、それぞれ盛り付けてみました。
昨夜の晩酌(雨の七夕の巻)
昨日7月7日は七夕でしたが、全国的にお天気は雨でしたね。関西の方は思ったほどは降らなかったのですが、九州の方が大変ですね。毎年夏になると九州で大雨による被害というニュースが入ってくるのを聞いてますからね。地震も結構多いですから、本当に心配ですね。大きな被害にならなければいいんですけどね。
昨夜はプロ野球甲子園での阪神戦は雨天中止でした。NHKの地上波で放送の予定だったんですが残念でした。まあでも、プロ野球は地上波であれBSであれTVで放送されるからいいですよね。私は本当は野球よりボクシングが好きなんですが、ボクシングなんて世界タイトルマッチでも地上波放送されなくなりましたからね。ボクシングはメジャー4団体があって、各階級ごとにそれぞれの団体にチャンピオンがいるんですが、他団体のチャンピオン同士が戦う統一戦というような重要な試合でも、地上波放送で見られません。最近はすべて有料のネット配信になってしまいました。今年は大晦日恒例のボクシング世界戦の中継もなくなってしまうのでしょうかね。今、世界的にも評価の高い日本人世界チャンピオンが3人いるんですけどね。さみしい限りです。
また前置きが長くなってしまいましたが、昨夜は阪神戦を観戦しながらとはなりませんでしたが、いつも通りいただいたおかずを肴に晩酌しました(笑)。
刷毛目徳利はもうこちらでは何度もご紹介しています。ごらんのとおり口部と胴部に金継ぎがあります。口部は欠けですが、胴部の金継ぎは表面の釉薬と白泥が剥落した部分です。これも入手時には共直しが施されていたものです。口部の共直しは分かっていたのですが、胴部は煮沸したら出てきました(笑)。しかしながら、金継ぎをお願いして生き返りました。容量が一合二勺程でよいサイズです。
井戸手の半筒盃も以前ご紹介しています。赤みを帯びた肌の色はもちろんいいですが、この盃の最大の見どころはシミでしょう。見込みもそうですが、何と言っても雨漏り状に出た底部の無数シミのによる景色が圧巻です。口縁部に欠けの金継ぎが2か所あります。実はこれ、昔私が自分でしたものですので、あまりいい直しではありません(笑)。こういう盃がまたあればと思うのですが、見つからないですねえ。
お料理の方ですが、サバのうま煮は李朝後期分院の白磁皿に、「海宝漬」のフカヒレは伊羅保手の小鉢に、モロヘイヤとエノキのお浸しは李朝末期染付の小鉢に、ひじき煮は三島の盃にそれぞれ盛り付けてみました。関西ではサバは味噌煮より醬油ベースのうま煮の方が好まれますね。「海宝漬」は、うに・あわび・ほたて・フカヒレのセットでいただきましたが、昨夜のフカヒレで最後になりました。
※「海宝漬セット」については過去の記事「昨夜の晩酌(小さい井戸の巻)2023年6月11日作成」をご参照ください。ご参照にはこちらをクリック。
昨夜の晩酌(上手の堅手盃再び?の巻)
MLBエンゼルスの大谷翔平選手の先月の活躍ぶりがすごいですね。ホームラン29本でうち6月に15本打ってますからね。投手としても7勝を挙げています。このペースでいくとホームラン50本以上、投げては15勝が期待できそうですね。さらには俊足で盗塁もできるのですから、これはもう異次元のレベルですね。
一方、阪神からアスレチックスに行った藤浪投手は、リリーフに回ってからも抑えたり、四球から崩れたりといった内容を繰り返しながらも、メジャーで出場し続けていますね。何だかんだで4勝も挙げてますしね。チームの投手力が弱いので、藤浪投手を使い続けるしかないのでしょうけど、そういう意味ではいい球団に行ったということでしょうね。投手力のいい球団だったらとっくにマイナー落ちしてたでしょう。このままもし1年間メジャーで登板できたとしたら、来年以降のいい経験になるのではないでしょうか。ぜひ、そうなるように頑張ってほしいですね。
前置きが長くなってしまいましたが、昨夜は和久傳のいいお弁当をいただきましたので、それをあてに飲みとなりました。写真のような立派な2段弁当です。ご飯の方は鯛のお寿司でした。多分、黒酢を使ったと思われる寿司飯の上に、薄切りの鯛のお刺身が並べられていました。
盃は以前こちらで1度だったか2度だったか忘れてしまいましたが、ご紹介したことのある上手の堅手盃です。画像では青が強く出ていますが、現物はそんなに青くはなくグレーです。とにかく薄手で高台も小さいながら、薄くかっちりと作られています。口径が7.5cm程と大変サイズもいいです。李朝初期の盃というと、平盃でも口径10cm未満のものとなると出会うのはなかなか大変ですが、この盃の作りとサイズは「うちに来てくれてありがとう!」と言いたくなるレベルです。これで色さえよければなどと贅沢なことを思ったりもしますが、それだと私のところには来なかったでしょうしね(笑)。無傷というのも嬉しいところです。
白磁の徳利もこちらで何度かご紹介したものです。口縁部の金継ぎは以前自分でしたものですので、あまりいい直しとは言えません。自分としては失敗もなく1度でやり終えたましたので、よかったと思ってはいるのですが、専門家が見たら酷評されるかもしれません(笑)。容量がちょうど1合ですので、今の私にはぴったりなサイズです。
膳はまた紙縒り製の物を使ってみました。この紙縒り膳は、普段の木製の12角膳よりサイズがやや小さいので、おかずを盛った器を3つ4つと置くには向いていませんが、今回のようにお弁当や大皿盛りのお料理の時にはちょうどいい感じです。今後もこんな感じで使っていこうと思っています。
昨夜の晩酌(久しぶりの百合の巻)
蒸し暑い日が続きますね。まあ梅雨ですから仕方ないんですけどね。ただ、気温の方は例年のこの時期に比べると、やや低めのように感じますね。6月末ごろには店に出てくる際にバスを使うようになることが多かったと思いますが、今年はまだ1度もバスには乗らず歩きですからね。しかしながら、梅雨が明けるとすぐに猛暑日が続くようになるのでしょうね。想像するのもイヤですね(笑)。
昨夜の晩酌です。刷毛目の平盃は、以前にもこちらで紹介したことのあるものです。白泥の量や刷毛目の描かれ方は、どちらかというとあっさりした感じですが、口径が10cm弱で深さもあり、サイズ・形状ともに酒器として最適です。これぞ刷毛目平盃!という感じですね。口縁部に2か所欠けの金継ぎがあります。使い込んでいけば、これからまだまだ育つタイプのものです。
昨夜は、また久しぶりに百合の陰刻紋の堅手徳利を登板させました。李朝初期の堅手徳利の胴部に百合の花が刻印されています。子供が描いたような大胆な絵に惹きつけられ、当時口欠けの徳利としては結構なお値段で購入しました。もう15年ぐらい前になるでしょうか。 購入時は口の半分以上を欠いた状態で、しばらくはそのまま使っていましたが、購入後2年ぐらいしてから専門家に直しをお願いしました。今考えると口欠けのままでもよかったのかなとは思いますが。類品を見ない希少なものです。容量はほぼ2合で結構入ります。
お料理の方ですが、焼鮭は李朝初期の堅手皿に、ほうれん草のお浸しは李朝初期白磁の小皿に、「海宝漬セット」のほたては高麗青磁八角小鉢にそれぞれ盛り付けてみました。
※「海宝漬セット」については過去の記事「昨夜の晩酌(小さい井戸の巻)2023年6月11日作成」をご参照ください。ご参照にはこちらをクリック。
昨夜の晩酌(いただいた盃の巻)
先週の後半あたりから、梅雨の中休みというのでしょうか、雨の降らない日が続いていますね。その代わり気温の方が30℃超えの真夏日の日が続いています。まあ、もう6月も中旬ですからこれぐらいの気温で普通なんでしょうけどね。まだ今のところは店までの行き来は徒歩ですが、もうそろそろ、行きは市バスを使わないといけなくなりますね。バスもねえ、観光客でいっぱいなんであんまり乗りたくはないんですけどね。最近また新型コロナの感染者も増加しているようですからね。感染症分類が5類になったのはいいんですが、いまだに季節性インフルエンザに対するタミフルのように、有効な治療薬が開発されてませんからね。私はまだ、感染症対策を怠ってはいませんよ。
昨夜も酒の肴によさそうなものを沢山いただきましたので、それらをあてに晩酌しましたよ。まあ、いつもそうなんですけど(笑)。
受け皿付きの堅手の盃は、元は明器だったものだと思います。盃も受け皿の方も砂付きのべた底なのですが少々擦り整えられています。この盃は昨夜、本当に久しぶりに使ってみました。
この盃、実はいただいたものです。多分10年ぐらい前になるかと思いますが、ソウルの競売場でそこで働いていたおねえさんからいただきました。そのころはまだ勤め人でしたが、骨董目的でソウルに2、3か月に1度は行っていて、その都度その競売場に顔を出していました。その度にお菓子(大したものではありません。チョコレートやおたべなど)をお土産に持って行って渡していたのですが、ある日「吉田さんいつもうちの競売場に来てくださって、毎回お土産もいただきありがとうございます。吉田さんは盃がお好きだと聞きましたのでこれを差し上げます。」と言って渡してくださいました。大変恐縮でしたが、礼を言ってありがたくいただいたものです。
今もそのおねえさんがいるかどうかは分かりませんが、競売場の方は今もやっているようです。また行ってみたいのですが、開催日が確か土曜日か日曜日でしたので、なかなかその日程では行けないんですよね。しかしながら、昨夜は久々に思い出深い盃で一杯やりましたので、懐かしい当時のことを色々と思い出して、楽しい晩酌でした。
徳利は、もうこちらで何度もご紹介している三島です。口部に大きなキズの金継ぎが2か所施されていますが、カセもなく肌の状態がよい徳利で気に入っているものです。容量も1合2勺程と独酌にピッタリなんです。
お料理の方ですが、揚げ出し豆腐は李朝初期の堅手皿に、ニシン茄子は李朝初期白磁の小皿に、蕨の白和えは高麗青磁の小鉢に、切干大根煮は李朝初期堅手の小皿に、それぞれ盛り付けてみました。
昨夜の晩酌(小さい井戸の巻)
梅雨らしい日が続いていますね。今朝も雨降りでしたが午後になって今は止んでいますね。明日、明後日ぐらいまでは不安定な天気が続くようです。梅雨なので雨降るのは仕方ないですが、店までの行き帰り歩きなので、朝夕避けて夜か店にいる昼間の間だけ降ってくれたらありがたいですけどね。まあ、そううまくは行きませんよね(笑)。これがまた、暑くなってくると午前中に店に出てくる際には、市バスを利用することにはなりますけどね。
一昨日の晩に酒のあてが届きましたので、昨夜は晩酌しました。90年代の初めにソウルの延世大学の韓国語学堂で一緒だった岩手県の方が「海宝漬セット」というものを送ってくださいました。三陸産のあわび、うに、ほたて、ふかひれの4種類の海宝漬がセットになっていまして、昨夜はあわびをいただいてみました。
めかぶとイクラのしょうゆ漬けに細かく刻んだ煮あわびがのっているという感じの物でした。皿に盛ってみると少しボリュームが足りない感じでしたので、ボイルしたイカを一緒に盛ってみました。食べるのは別々に食べましたけどね(笑)。酒の肴にはもちろんですが、ご飯の上にのっけて海鮮丼にしてもいいんでしょうね。皿は李朝後期分院の白磁皿を使いました。
その他のお料理と器ですが、いんげんの胡麻和えは李朝初期白磁の小皿に、大根とお揚げ、ニンジンの煮炒めは李朝初期堅手の小皿に、琵琶湖の小鮎の甘露煮は李朝後期分院の染付「壽」字紋の小皿に、それぞれ盛り付けてみました。
酒器の方ですが、盃は初登板の小さな井戸手盃です。サイズはちゃんと測ってなかったのですが、大体で言うと口径が5.5cmから6.0cmの間ぐらいだと思います。小さいですが、全体にしっかりと張り巡らされた貫入、底部周辺にはカイラギ状になった釉溜りがあり、井戸手としての条件をしっかり備えています。胴部に数か所見られる釉切れによる火間も、この盃の良い景色となっています。写真は青みが強く出てしまっているのですが、実物は釉溜りの部分以外は、もう少し黄みがかった感じです。
徳利の方は、これまでにも何度かご紹介したことのある李朝初期の堅手の徳利です。青みがかった釉薬がきれいで、特に高台周りの釉溜りがなかなか見事です。口縁の1ヵ所にほんの小さなホツの銀継ぎがあります。容量ははちょうど1合です。
最近は盃も徳利も小さいのを選んで飲んでるようです。年齢に合わせて酒量も調整しなければなりませんよね(笑)。しかしながら、よい酒の肴をいただきましたから、またちょくちょく晩酌のご報告はさせていただくことになりますね(笑)。
昨夜の晩酌(初登板紙縒膳の巻)
昨夜は豆腐キムチで一杯やりました。豆腐キムチを作るためにソウルで本場のキムチを買って来たのですが、昨夜やっとそれがかないました。日本のキムチは激甘なので、やっぱり本場物で味わいたいんですよね。今回買って来たキムチは、酸味の強いお味でしたので、炒め物や鍋物にいい感じでした。
豆腐キムチを作る時に必要なのは、豆腐とキムチはもちろんですが、豚肉、野菜は玉ねぎとネギがあるといいでしょう。豆腐は絹ごしではなく木綿豆腐を選びましょう。
切ってよく水切りした豆腐は大皿の周りに並べておきます。同時に具材を、豚肉、玉ねぎ、キムチ、ネギの順に炒めていきます。日本の激甘キムチの場合は何も加えなくていいですが、韓国のキムチの場合は、少しだけ甘みを付けるために焼き肉のタレを少々加えます。入れすぎると甘辛くなってしまうので気を付けましょう。最後の火を止める直前にごま油を回しかけます。炒め終わったら豆腐を並べた大皿の真ん中にドサッと盛り付けます。写真ではわかりにくいですが、これ結構な量です。2人前は充分にある量です。
お酒はいつもはマッコリなのですが、また日本の激甘マッコリでは悲しいので、スーパーに眞露チャミスル(焼酎)がありましたので、今回はそちらにしました。眞露焼酎といえば昔はガマガエルのマークの入った赤い蓋もので、アルコール度数も20度以上でしたが、今のチャミスルfreshはアルコール度数16~17度になってますね。
今回は焼酎での晩酌となったので、徳利は使わずそのままいただきました。ガラスの徳利に移し替えようかとも思ったのですが「참이슬(チャミスル)」のラベルそのままの方が、絵的にもいいかなと思いましたので。
盃は李朝初期の小ぶりの堅手盃を使ってみました。以前にも1度ご紹介したことがあったと思います。口径も高さも5.5cmほどのかわいらしい盃です、このサイズですから元は明器だったのかも知れません。
酒器が盃だけでさみしいので、今回は膳を紙縒の膳にしてみました。こちらでご紹介するのは今回が初めてですが、これは今回のソウルでの収獲ではなく随分前に(15年ぐらいになるか?)入手していたものです。この手の物で晩酌に使えるサイズのものは貴重です。
いつも豆腐キムチやチャプチェ、大きな焼き魚などを盛る時に活躍してくれている堅手の大皿も今回はお料理を盛っていない状態の写真を載せておきます。こんな感じなんですよ(笑)。
最後の写真は身内がくれた5周年祝いの花です。ありがたいです。