「昨夜の晩酌」
こちら「昨夜の晩酌」でご紹介している酒器やその他の器は、基本的には私の自宅にあって店頭には出ていないもの達です。
こちらでご紹介した酒器やその他の器の中で、もしご関心をお持ちになられたものがありましたら、「お問い合わせ」欄よりお知らせください。ご関心を持たれた品、ご来店日をお知らせ頂けましたら、店の方へ持って参ります。
昨夜の晩酌(好きな金直し・嫌いな金直しの巻)
一昨日で4連休も終わりましたね。期間中、各地で人の出が多かったようですが、特に京都はこの連休中は他府県からの観光の方が多かったですね。21日(月・祝)がピークだったようです。昨日はもう連休が終わったのですが、清水寺周辺や新京極辺りは、まだ少し観光客の姿が見えましたね。しかしながら、もう今日は、静かな京都に戻りました。
昨日は水曜日で定休日でしたので、朝からお彼岸のお墓参りに行って来ました。その後ドコモショップに行ってスマホの機種変更をしましたよ。もうだいぶ前から、スマホの充電が直ぐに減ってしまうようになっていて、これヤバいなと思いつつも、半年ぐらい使ってました(笑)。昨日は事前に予約をしていましたので、観念して行って来ました。データの移行なども無事にしてもらい、新しいスマホになりましたが、機種が変わると使い勝手が違うので、しばらくは苦労します(笑)。本当は機種変更などせず、10年でも20年でも同じものを使い続けられたらと思います(笑)。
で、久しぶり、今月2度目の昨夜の晩酌です。
粉引の平盃は、以前にも一度こちらでご紹介したことがあります。詳細は2019年11月3日「昨夜の晩酌(お久しぶり瑠璃小瓶の巻)」をご参照ください(「昨夜の晩酌(お久しぶり瑠璃小瓶の巻)」へはこちらをクリック)。見込みにフリモノがあり、金継ぎもありますが、口径が10.0~10.5cmと大変よいサイズです。酒を注ぐと見込みのピンホールから酒がじんわりと滲みて行き、よい景色となります。使用により更にアジが付きいい感じに育ってくれそうです。前回こちらでご紹介した際に、口縁にひっつきがあり、売り物とした時にはこれが気になるので、もう一度直しをお願いしようかと思っていると記していたのですが、その部分を金継ぎしてもらいました。それが先日帰ってきましたので、今回使い初めでした。写真手前の金継ぎが今回直してもらった部分です。やっぱり、この方がいいですね。金継ぎしてもらってよかったです。
三島の白黒象嵌柳紋徳利は、首から上を全て欠いており、金直しが施されています。こちらの金直しには、全面に蒔絵による波紋が施されています。首から口部分の外側はもちろんのこと、内部のかなり深いところまで蒔絵が施されており、技術の高さがうかがえます。なのですが、実は私はこの徳利に気に入らないところが2点あります。まず1つは、首の長さがオリジナルに忠実ではないところです。この手の三島の徳利はここまで首が長くありません。口もちょっと大きすぎる感じがしますね。そのため、何かとても奇妙な印象を受けます。もう一点は、私は個人的にこういった蒔絵直しというのが好きではありません。蒔絵が入っていると、何かうるさい感じがしますし、気が散って器に集中できません。なので私は個人的には、金だけの直しの方がすっきりしていて好きです。こう言うと高い技術に対して申し訳ないですが、最後の写真など見ると、何か鶏の足の鱗みたいで気持ち悪いです。まあ、個人の感覚なのでお許しください。
お料理ですが、シシャモの塩焼きは李朝初期の堅手大皿に、茄子とミョウガの漬物は李朝初期の白磁小皿に盛り付けてみました。シシャモは実は冷凍食品で、指示通りにフライパンで焼いてみたのですが失敗でしたね。くっつくし、頭の部分がよく焼けないので、見た目が悪かったです。まあ、お味の方は美味しかったですけどね。
今回、機種変更した新しいスマホで写真を撮ったのですが、スマホの画面で見ている時は、大変鮮明に写っているように見えるのですが、パソコンで見てみるとなんかピンが甘いような写りなんですよね。何が問題なのか分かりません。
昨夜の晩酌(ダブルユウの巻)
今月10日に検査も終えましたので、久しぶりの昨夜の晩酌です。
検査結果の方も先にご報告いたしましたとおり、以外にも数値が大幅に下がっていましたので、気分良く飲めますね(笑)。でも、まだまだ正常値には程遠いので、調子に乗らないように、晩酌は今後も月3回程度のペースを守っていきたいと思っております。今月も東寺・弘法市の開催中止が決まりましたので、多分北野天満宮・天神市も中止になる可能性が高いと思います。ここは晩酌でブログの記事を埋めたいところなんですがね。健康第一ですから。今月も後半はヌシさんに登場してもらいましょうかね(笑)。
晩酌の方ですが、李朝初期の堅手徳利は、入手したのがもう15年ぐらい前になるでしょうか?「朝鮮白磁徳利」と書かれた古めの桐箱に入っています。2枚目の写真のように、高台の周りに青色の釉溜りが並んでいるのが良い景色です。口縁に欠けが2箇所並んで有ります。また、3枚目の写真のように欠けた部分があり、欠けたパーツが接着剤か何かでくっ付けられています。店に出すには、まず金継ぎしてからでしょうね。
盃は、朝鮮王朝の最後の官窯であった分院が19世紀末に民営化されますが、その李朝末期に民営化された分院で焼かれたものでしょう。この時代の物になると白磁とは言っても、グレーがかった色のあがりになりますね。この盃は、見込みの釉溜りがとても美しいです。副題の「ダブルユウ」は、この盃と徳利のダブルの釉溜りのことですのでね、昔のモーニング娘の辻ちゃんと加護ちゃんのユニットの「W(ダブルユー)」ではありませんよ。そっち知ってる人が少ないか(笑)。
私が最初に李朝に手を出したのは、酒器でも盃からだったのですが、買い始めはこのような分院末期の盃でした。踏十里・長安坪の骨董街に通い始めの1か月ぐらいの間に5個ぐらい買いましたかね。その中の1つです。90年代末の話ですが、その頃はこの手の盃は結構拾えたんですがね。最近ではソウルの骨董店でも、あまり見かけなくなりましたね。なんか以前にも同じようなこと書いたような気がしますね(笑)。
お料理の方ですが、鶏手羽の塩焼きは李朝初期の堅手皿に、厚揚げは李朝初期の堅手茶碗に盛り付けてみました。鶏手羽の塩焼きは、中までしっかりと火を通さないといけないので、弱火で何度も火の当たる面を変えながら、時間をかけてガスレンジの魚焼き機で焼くのが結構大変です。
昨夜の晩酌(忘却の赤上がり盃の巻)
「暑いですね」と毎日その言葉しか出てきません。8月も下旬だというのに今週もずっと猛暑日が続くようです。もう最近は、朝からご飯を食べる元気がなく、そうめんや冷や麦を流し込んでます。夜もお弁当もらった時にはそのご飯を食べますが、それ以外は焼きソバなどの麺類をビールで流し込んでます(笑)。次の検査は、間違いなく数値上るなあ(笑)。
そんな猛暑の中、昨夜の晩酌です。
李朝初期の堅手徳利は、もう15年ぐらい前でしょうかね、入手したのは。写真で見るより、現物はもう少し薄いグリーンがかっていて、細かいごまふりのようになっています。購入する時に高台と高台内に窯キズがあったのは分かっていましたので、穴を下にして照明に照らして内部を除いてみたところ、光の漏れがなかったので、少し値切って購入した記憶があります。
底の窯キズが抜けている場合、もちろん水が漏りますので、確認のため、底を照明にかざして穴から中をのぞくと、抜けている場合はそこから光が漏れるのが分かります。それで、漏れはないであろうと判断したのですが、自宅で煮沸して取り出してみると漏れるではないですか!発掘品のため、内部にまだ土が残っていてそれで穴が塞がれていので、のぞいてみても光の漏れがなかったのです。それだけではなく、高台内には底が薄くなっている部分が数か所あり、光が透けているではないですか!これでは、窯キズだけをふさいでも、他の薄くなった部分から酒がじわじわと滲み出て来てしまいます。
そんな訳で、直しのできる方に方法はお任せで、とにかく漏れないようにして欲しいとお願いしてお預けして、戻って来たのが写真のとおりの高台内でした。漆を塗った上に軽く金を撒いて、乾いた後にさらに漆を塗って固めてあるように見えます。お蔭様で、問題なく使用できるようになりました。容量は2合ちょうどです。
盃の方は、一時気に入っていてよく使っていた時期もあったのですが、その後に入手した盃に押され2軍落ちしてしまい、存在すら忘れかけていました。我が家では、頻繁に使うであろう1軍の盃は1階居間のケースに、あまり登板機会の無い2軍の盃を2階のケースに、今後使うことはほとんどないであろう3軍の盃を地下のケースに仕舞っています。
昨日、2階の2軍ケースからこれを見つけ出して、久々に使ってみました。サイズは口径約6.5cmと私の好きな小ぶりのサイズ。まあ、ぐいぐいやりたいという方には、少し小さ過ぎると思われるかもしれませんが。赤上がりで、貫入、見込みに釉溜りもあり、なかなか見どころの多い盃です。見込みにピンホールも多く見られ、使い込んでいくと、まだまだいい味が付いていきそうです。このような、李朝の後期から末期にかけて民窯で焼かれた盃は、グレーっぽい色のものが多く、赤上がりのものは数が少なく、人気も高いですね。グレーよりも柔らかい印象がありますからね。
昨日は、こいつを長く忘れていて、申し訳ない気持ちになりました。なので、これを機会にまた1軍に昇格させることにしました(笑)。代わりに2軍に降格させる盃は特に考えてはいません。そこまで厳格なものでもありませんのでね(笑)。
お料理の方ですが、鱧の落としは三島菊花紋の深皿に、オクラの胡麻和えは李朝初期の堅手皿に、卵豆腐は三島の小皿にそれぞれ盛り付けてみました。鱧の落としは梅肉で食べるのがいいですね。
来月は10日(木)に検査がありますので、次回の晩酌はそれ以降になります。次回の検査ヤバいですね(笑)。
昨夜の晩酌(鶏龍山コンビの巻)
昨日までの4日間夏期休業させていただいていましたが、今日からまた通常営業しております。
4日間お休みしたといっても、新型コロナ禍で例年のようにソウルに行くこともできず、また外を出歩くのも危険な程の猛暑のため、に11日(火)にお墓参り、14日(金)実家での盆参り以外は、買い物に行く以外にはほぼ外出もせず、自宅のクーラーの効いた部屋で、ずっと休んでました(笑)。仕方ないですよね。連日36~37℃の猛暑日でしたらからね。京都はまた気温だけでなく湿度が高いので、本当に気分が悪くなります。休み前の話ですが、仕事終えて自宅に帰ってきたら室内の温度が33.9℃でした。今日の京都の予想最高気温は38℃だそうです。こんな猛暑が来週まで続くようです。皆様もこの夏は、熱中症対策と新型コロナ感染対策の両方に、くれぐれもお気を付けください。
さて、夏期休業の最終日であった昨日、久しぶりの晩酌をしました。と言いますが、日本酒で李朝の酒器・食器を使用しての晩酌は久しぶりですが、その間、ビールはちょこちょこ飲んでました。来月の検査の数値が心配ですが、まあ夏ですからね、仕方ないでしょう(笑)。ちなみに、ビールと言いましたが、私が普段愛飲しているのはサッポロの「麦とホップ」で、厳密には発泡酒・第3のビールという範疇の物です。発泡酒・第3のビールと言われるものは数多く出回っていますが、「麦とホップ」はコクがあり、その味はほぼビールです。「麦とホップ」を飲むようになってから、他社の発泡酒・第3のビールを飲むと炭酸飲料のように感じます。まだ飲んだことのない方は、ぜひ一度お試しください。
前置きが長くなってしまいましたが、昨夜は日本酒をいただきましたよ。以前まとめ買いした「菊正宗 濃い辛口パック」をいただいてます。1.8ℓパック6本買いましたから、もう年内はお酒買わなくて大丈夫です(笑)(詳細は2020年7月1日作成「今日から7月(2020年)」をこちらをクリックしてご参照ください)。
鶏龍山の絵刷毛目徳利は、容量がおよそ2合8勺と3合を切ります。鶏龍山の徳利はこのような酒徳利として使えるサイズの物が少ないため大変貴重です。口部の大部分が欠損し金直しがされていますが、全体の6分の1程が残っています。その他にはキズや直しもなく、白泥の剥がれもそう目立って大きいものはなく、ひどいカセも見られません。また、迷いなく描かれた絵付けには躍動感があります。この手の物としては、サイズ、状態ともに申し分ないものです。李朝酒器のコレクターなら鶏龍山の徳利は一つは持っておきたいものですよね。ただ、今の私には2合8勺という容量は少し多過ぎますので、昨夜はお酒をいっぱいいっぱいには入れず、2合程度だけ入れていただきました(笑)。
盃の方も鶏龍山の刷毛目編笠盃です。平盃ですが、窯の中でこのように編み笠状にひしゃげてしまったものです。そのひしゃげた部分は、金継ぎがされていますが、呼び継ではなく割れ継ぎのようです。割れ継ぎの陶片部分にも金継が施されています。反対側の口縁部にも欠けの金継ぎとニュウの金継ぎが見られます。キズはありますが、白泥もたっぷり掛かっており、釉薬にカセものなくしっかりとしています。左手で内側にひしゃげた部分に親指をかけて飲むとよいのですが、見込みが思いのほか浅いため、片手で持ち上げて少しでも揺らぐと、口部の細くなった部分からお酒がこぼれてしまいます。なので、しっかり両手で持って持ち上げないとお膳や床をびしょびしょにしてしまうことになりますので、気を付けなければなりません。昨夜もいっぱいこぼしてしまいましたよ(笑)。だからこの盃、実はこれまであんまり使ってなかったんですよね(笑)。
お料理の方は、鯛のあら煮は李朝初期の堅手大皿に、モロヘイヤとえのきだけのお浸しは三島の小鉢に、蛤の佃煮は李朝初期の堅手豆皿に、それぞれ盛り付けてみました。
昨日は、四条花見小路の「かぼちゃのたね」の鰻弁当もいただいていましたので、こちらはシメにいただきました。
昨夜の晩酌(再度登板魅惑の百合の巻き)
約10日ぶりの昨夜の晩酌です。今月も10日に1回、月3回ぐらいのペースで晩酌の方はやって行こうかなと思っております。まあ、これも含めてですが、新型コロナ禍の影響でこちらのブログがお食事系の記事ばかりになって来ていますので、何とか今月は京都の骨董市が開催されてくれるといいのですが。
それにしても、長い梅雨が明けた後は猛暑ですね。今日は京都の最高気温は38℃まで上がるとの予報です。今日は水曜日でお休みですので、買い物などに出ようと思っていたのですが、近所で済ませられる最低限の買い物だけで済ませて、クーラーの効いた家の中でゆっくり過ごすようにしようと思っています。
昨夜ですが、久しぶりに百合の陰刻紋の堅手徳利を登板させました。この徳利、随分前に店の方に持って行っていたのですが、店頭に並べることもなく、昨日晩酌用に持ち帰って来たものです。李朝初期の堅手徳利の胴に百合の花がでかでかと陰刻された類例を見ない徳利です。購入時には直しは無く、口の半分以上を欠いた状態でしたが、購入後2年ぐらいしてから専門家に直してもらいました。容量はほぼ2合です。百合の絵が大胆なところが面白く、魅力を感じます。この徳利に関しては、2019年4月16日作成の「昨夜の晩酌(魅惑の百合の巻)」も合わせてご参照ください(「昨夜の晩酌(魅惑の百合の巻)」へはこちらをクリック)。
盃の方は、李朝後期~末期に民窯で焼かれたものでしょう。紫色のボディーには全面に貫入が入っており、見込みや高台(底)辺りには赤みが出ています。さらに、火間や釉垂れも見られ、景色の良い見どころの多い盃で、私好みのものです(笑)。この手の盃が、これも合わせて4つほど手元にあります。他の2点についても、以前こちらの記事でご紹介しています。
ただ、残念なことに購入時には口縁部に結構大きめの傷がありまして、当時は欠けたままの状態でした。こちらの傷の直しは私が自分でしたのですが、大きめの欠けにもかかわらず、奇跡的に失敗なく一度で出来てしまい、当時大変喜んでいました。貫入・釉垂れ・雨漏り・火間、これらのうち貫入を含み3つ以上がそろっている盃は、見つけたら必ず買ってしまいますね(笑)。
お料理の方ですが、鳥の肝煮は三島の小鉢に、もずく酢は李朝末期の染付小鉢に、トウガラシのおかか煮は堅手小鉢に、それぞれ盛り付けてみました。
昨夜の晩酌(満身創痍の巻)
4連休も前半の2日が終わり、今日から後半です。22日(水)から始まった政府の観光支援事業「Go To トラベル」キャンペーンに便乗したものか、京都市内もこの連休中は、随分と観光客の姿が目立つようになりました。人気の飲食店前には、また以前のような行列が見られるようになってきましたね。残念ながら、当店の売り上げには影響がありませんけどね(笑)。
その一方で、新型コロナウィルスの感染拡大は、とどまるところを知りません。連休初日の23日は、東京で最多の366人の感染者が出ましたし、ここ数日は200人越え連発です。大阪でもここ3日は100人越えの感染者が出ていますし、京都もここ1週間ほどは20人前後の感染者が出ており、首都圏だけでなく関西をはじめ全国的に感染が拡大しています。この連休中の人の移動による感染拡大の結果が現れるのが、来週末から再来週になるでしょうから、その頃の感染者数がどうなっているか心配ですね。
そんな新型コロナ禍に大きな影響を受けた今年の祇園祭ですが、昨日24日が本来なら山鉾巡行の後祭と還幸祭(神輿渡御)でした。ご存知の通り、今年はこれらの行事は中止となりました。巡行は山鉾なしの御旅所までの行進になりました。神事の還幸祭(神輿渡御)の方は「御神霊渡御祭」として24日夜に行なわれました。八坂神社の祭神の神霊が四条御旅所から神社に戻る祭の神事で、その内容が神輿の代わりに神霊を遷(うつ)した榊を白馬にのせ、氏子地域を巡るというものだったようです。「榊をもって神輿にかえる」というこの方法、私のこのブログでの提案がパクられたのかな?八坂神社の神官がこのブログ見てるんでしょうか(笑)。詳細は2020年4月17日作成の記事でご確認ください(2020年4月17日作成の記事へは、こちらをクリック)。
前置きが長くなってしまいましたが、久しぶりの昨夜の晩酌です。新型コロナ禍においてはやっぱり家飲みですよね(笑)。
青磁釉のかかった堅手徳利は、以前にもこちらでご紹介したことがあります。このシリーズ初期の頃で、まだ副題を付けていなかった頃の2018年11月9日作成の「昨夜の晩酌」でした。口部が割れたものを金継ぎしてあります。青磁釉薬のかかった李朝初期の堅手で、高台が高くしっかりした造りになっています。この徳利の詳細につきましては2018年11月9日作成の「昨夜の晩酌」をご参照ください(2018年11月9日作成の記事へは、こちらをクリック)。
徳利も結構なキズ物なのですが、盃の方が正に満身創痍なのです。金海手の耳盃でサイズも肌もよいのですが、なにせキズが多いです。両耳は全て欠いており、金直しがされています。更に口縁には耳とつながった部分も合わせて、4箇所の金直しが施されています。また、胴部にはニュウも見られます。正に、満身創痍の状態です。片方の耳の修理部分が一度ボロッと外れまして、修理に出して4月に戻ってきたものです。耳盃で飲む時は、どちらかの耳をつまんで持って飲みたくなるのですが、このように耳全体が修理されている物については、そういう持ち方は危険ですね。耳盃は、どうしても耳の部分が欠けやすいので、両耳が完全なものというのは、なかなかお目にかかれません。偽物であれば、いくらでもあるんですけどね(笑)。状態のいい耳盃をまた手に入れたいですね。
お料理の方ですが、イカの天ぷらは堅手の中皿に、茄子と三度豆の胡麻和えは堅手の小鉢に、オクラとミョウガの浅漬けは堅手の小皿に、それぞれ盛り付けてみました。今回は堅手でまとめてみました。
今日は25日で天神さんの日でしたね。今月は弘法さんも天神さんも中止でした。来月はどうでしょうかね。新型コロナのこの感染者数の急増ぶりでは、来月もちょっと難しいでしょうかね。
昨夜の晩酌(三島白黒象嵌蓮花紋徳利の巻)
あまり日にちを置かずの昨夜の晩酌です。前回が10日(金)でしたから、2日しか空いていません。でもまあ、今週はこれっきりにして、次回を来週末頃まで空ければ問題ないですから(笑)。
何故こうも早く今月2回目の晩酌になってしまったかというと、お弁当のせいなのです。5月末で終了したはずの「もらいメシ弁当」でしたが、実は今月(7月)に入ってもまだちょくちょくいただいてまして(笑)。昨日いただいいたのが、祇園末吉町 喜久政のお弁当でした。今までも何度かいただいていたのですが、とにかくその内容が写真のとおり日本酒に合いそうなものばかりで、これまでもいただく度に「これで酒飲んだらうまいやろなぁ」と思っていました。しかし、検査前ということなどもあり、これまでは我慢してきたのですが、昨日やっとその願いを遂げることができたのです。大袈裟か(笑)。
副題に挙げた蓮花紋白黒象嵌の三島徳利は、15年ぐらい前にソウル黄鶴洞で見つけたものです。胴の4面に蓮花紋が象嵌されています。口縁に共直しが2箇所ありましたので、金直しにしてもらいました。その際に、2枚目の写真のように高台内にも金継ぎされて帰ってきました。高台内にキズは無かったのですが、底の部分が大変薄く作られており水がシミ出してくるため、気を利かせてしてくれたものでした。確かに底が薄いため、お酒を入れると高台内が真っ黒にシミて来ます。さらに、焼きの甘い発掘品ですので、使った後に乾かすのが大変です。なので、登板機会はどうしても少なくなりますね。容量は1合半程度と独酌によいサイズなんですけどね。
盃の方は、李朝後期~末期の民窯で焼かれたものでしょう。全体に貫入があり、見込みと高台(底)の周辺には赤みが出ています。さらに高台(底)周辺の釉薬はカイラギ状になっており、見どころの多い盃です。井戸手盃と言いたくなりますね。これ、最近はあまり使ってなかったのですが、使い込んで行くと更に貫入は深く濃くなり赤味も増して、正に井戸手盃というに相応しい盃に姿を変えていくタイプのものでしょう。楽しみですが、私はもうそこまで育てられないでしょうけどね(笑)。
カボチャのたね(四条花見小路西入ル北側2軒目了郭ビル1階)のお茶漬け鰻(鰻の佃煮)は、堅手の小皿に盛り付けてみました。堅手小皿は、口径が10.0~10.5cmで平盃としても使えるサイズです。
末吉町の喜久政さん、私は行ったこのがないんですが、一度行ってみたいですね。当店からも近いんですよね。一度どんな感じのお店か、表から探ってみましょう(笑)。
昨夜の晩酌(三島柳紋徳利の巻)
毎日よく降りますねえ、雨が。京都はお昼過ぎの現在は雨はやみ、少し晴れ間ものぞくようにうなっていますが、早朝はよく降っていましたね。今回の豪雨により、九州や岐阜、長野あたりの被害が大変なようです。特に九州は、ここ数年は毎年集中豪雨による被害が発生しており、本当にお気の毒に思います。
また、新型コロナ禍の方も収束の気配はなく、今月に入ってから感染者数が激増していますね。東京は昨日と一昨日2日連続で200人超の感染者が出ていますし、関西でもじりじりと感染者数は増えてきており、昨日は京都でも10人と74日ぶりに二桁の感染者が出ました。どうしたもんでしょうかねえ。とりあえずは、自分にできることと言ったら、家と店の往復だけして大人しくしてることでしょうかね。
そんな中、久しぶりの昨夜の晩酌です。一昨日検査も終わりましたので、昨夜はやりましたよ。新型コロナ禍の中、家飲みは推奨されるべきですよね(笑)。先月末に届いた「菊正宗 濃い辛口パック」の初飲みです。検査終わるの待ってましたからね(笑)(「菊正宗 濃い辛口パック」についてはこちらをクリック)。
柳紋の三島白黒象嵌徳利は、容量が1合3~4勺と独酌にピッタリのサイズです。残念ながら、口の半分以上を欠いており、金直しが施されています。これが無傷完品だったら、結構なお値段になると思いますね。柳紋というのも人気ですからね。穴が少し小さめではありますが、トクトクといい感じでお酒が出ます。こういうサイズのいい三島の徳利も、なかなか見なくなりましたね。
祭器型の白磁盃は李朝末期の分院のものでしょう。「祭器型の盃」と言っていますが、これはこちらが盃として見立てたもので、元々の用途はお酒を飲むものではありませんから、小型の祭器というのが正しいでしょう。小型の祭器も、このサイズのものはなかなか見つかりません。口径が8cm超える物でもなかなか見つかりませんが、これは7cm台です。7cm台の前半だったと思います。昨日自宅で測ったのですが、一晩経ったら忘れてしまいました(笑)。「そんなにすぐ忘れるんだったら、書き留めておけ!」と思うでしょうが、ダメなんです。どこに書いたかも忘れてしまうんです(笑)。
この手の祭器は、たまにソウルの骨董店で見つけても、完品だととんでもない値段を言われてしまいます。これはキズが有りますので、まあ何とか許容範囲のお値段で購入しました。写真では分かりませんが、口縁に上からガンとものを当てた時に出来る、典型的なニュウがあります。
お料理ですが、鱧の落としは伊羅保の小鉢に、ホタルイカとカボチャ、茄子の煮物は堅手茶碗にそれぞれ盛り付けてみました。
今月は3回ぐらい晩酌出来たらなと思っています。
昨夜の晩酌(復活刷毛目平盃の巻)
久しぶり、今月2回目の昨夜の晩酌です。先週は久しぶりに祇園の韓国料理・韓日亭で焼酎を飲みましたので、家飲みはお休みしました。来月はまた検査がありますので、今月は多分これが最後でしょうね。
徳利は、一昨年にもこちらで紹介した「고사리(コサリ、日本語で蕨(わらび)」紋の絵高麗です。容量は1合7勺ほどです。前回こちらでご紹介した時以来の登板でした。まだタイトルに副題を付けていない頃の「昨夜の晩酌」でした(前回の記事(2018年11月20日作成)へはこちらをクリック)。
刷毛目の平盃は、直しに出していて4月に無事帰って来たものです。この刷毛目は、薄掛けの白泥で申し訳程度に描かれた刷毛目なのですが、良く使われていいアジが付き、トロトロに育っています。これ、サイズもよく気に入っていたのですが、自宅の棚に他の平盃と一緒に積んで置いていたところ、奥にある物を取ろうとした時に倒してしまい、これだけが3つに割れてしまいました。それで、直しに預けていたのですが、先日戻ってきた姿を見て、その素晴らしい出来栄えに喜んでいます。やっぱり、プロの仕事は技術が高いですね。ありがたいです。金継ぎの部分が見やすい写真もあげておきますので、よくご覧ください。
お料理の方ですが、白菜とお揚げの炊いたんは三島の小鉢に、胡麻豆腐は李朝末期分院の染付なずな紋小皿に、鶏の肝煮は李朝初期堅手小鉢に、それぞれ盛り付けてみました。
昨日から、新型コロナウィルスの感染防止のための休業要請が全面解除され、他府県への往来も可能になりました。今日も店まで歩いて来ましたが、清水寺に通じる五条坂や茶碗坂に観光客の姿がチラホラと見え始めました。プロ野球も無観客ながら昨日から開幕しましたね。しかしながら、今も東京では毎日30人、40人といった規模で感染者が出ていますので、感染予防の対策は引き続き行いつつ、少しづつまた、以前のような日常生活が戻ってくるといいですね。
昨夜の晩酌(飛鶴の巻)
6月に入り、もうもらいメシ生活も終わりです(笑)。その間、晩ご飯に本当にいいお弁当をいただいて、ただただ感謝です。
昨夜の晩酌ですが、そういう訳で酒の肴の方は、もう高級料理店のお料理ではありません(笑)。酒器の方も、もう段々とネタが無くなって来て、とうとう今回は店にある物を持って帰って使いましたよ(笑)。
徳利はこのホームページのTOPの写真にもある、三島の白黒象嵌飛鶴紋徳利です。白黒象嵌の三島徳利は、酒器のコレクターなら一つは持っておきたいものでしょう。しかも飛鶴紋となれば、なかなかお目にかかるのも難しいですよね。サイズも高さ13.5cm程で容量は1合1勺と、徳利として理想的です。口縁に小さな金継が1箇所ありますが、釉薬にカセもなく大変状態の良い、美しい徳利です。穴はやや小さめですが、トクトクトクと音を立ててお酒が出ます。三方に鶴が配されています。昨日持ち帰って使い、現在内部乾燥中なので、今日は店に持って来られませんでした。明日か明後日には持ってきます。
盃の方も店から持ち帰ったものですが、こちらは店にあったものではありますが、まだ仕舞った状態で店の棚には出していなかったものです。こちらも三島白黒象嵌飛鶴紋の盃です。こちらはサイズが、口径8.5~8.9cm、高さが4.6cmと、日本酒を飲むには少し多く過ぎるものです。三島の盃というと、大体これぐらいにサイズになってしまいますね。口径が8cm未満の物というのは、なかなかお目にかかれませんね。こちらは四方に鶴が配されています。状態は、こちらも口縁に金継が1箇所あります。こちらは、今日また店に持ってきましたよ(笑)。
お料理の方は、サバの味噌煮は李朝後期分院の白磁皿に、揚げ出し豆腐は李朝初期の堅手茶碗に、ひじき煮豆は李朝後期の白磁小鉢にそれぞれ盛り付けてみました。
煮豆を入れた白磁小鉢は、口縁に注ぎ口が2箇所あり、片口のような形状です。注ぎ口が細いものとやや広いものがあり、購入する際に、これが薬をビンなどに入れる際に使った器で、注ぐ先の器の口が小さい時は細い方で、大きい時は広い方で注いだのだと説明を受けましたが、真偽のほどは分かりません。盃として使うつもりで購入し、一度だけ使ってみたのですが、見込みにフリモノが多く、盃には向きませんでした。
揚げ出し豆腐は、もう少し大きめの器にした方がよかったですね(笑)。