雨の弘法さん 2021.3
首都圏1都3県に発出中だった緊急事態宣言が、今日をもって解除されますね。これで明日から全国的に緊急事態宣言が解除されるわけですが、全く喜んでいられません。一時は順調に新規感染者数が減少していましたが、先に解除された大阪や、現在も発出中の首都圏で、既に新規感染者数に増加傾向が見られます。解除となれば、また再び感染者数が増加していくのでしょうね。オリンピックを無観客で開催するとか、言ってる場合じゃないと思うんですがね。
本日は21日で東寺・弘法市の開催日です。1月、2月と新型コロナ禍で開催中止が続いていましたので、今年初となります。しかも日曜日ということで、大賑わいとなるはずだったんでしょうが、お天気の方が昨日の夜からの雨で、さみしい開催となりました。
朝9時過ぎに東寺に到着しましたが、雨の方が結構普通に本降りの感じでしたので、露店の方は写真でご確認いただける通り、まあ、少なかったです。2枚目の写真は、東門から撮った写真です。この石畳の両側に露店がいっぱい並ぶんですけどね。今日はこんな感じでしたね。特に飲食のお店がほとんど出ていませんでしたね。やっぱり、露店の飲食物は数を売らないと利益が上がらないでしょうからね。雨の日は厳しいですよね。しかも、コロナ禍で境内飲食禁止ですからね。でも、結構な本降りの割には、来客の方は、まあそこそこ来てましたね。今年初だったのと日曜日ということもありますからね。
そんな状態でしたので、古物の店の方もあまり出ていませんでしたし、食料品のお店も、いつも利用するお店が出ていませんでしたので、買うものもなく早々に帰ってきました。しょうがないですよね、このお天気では。4枚目の五重塔と桜の写真も、お天気が良ければもっときれいでいい写真になったんでしょうけどね。残念でした。
キム社長の店も当然出ていませんでしたし、他の韓国の業者の店も、さすがに今日は出ていませんでしたね。キム社長は、もう1年になるんじゃないですかね、弘法さんと天神さんに出られなくなって。まだまだ、新型コロナ感染が落ち着きませんから、当分は入国できないでしょうからね。私もソウルに行けませんし。
帰りに通る九条通りの歩道は、このところ露店の出店が少なくはなっていたのですが、今日はなんと一店舗だけしか出ていませんでした(最後の写真)。沢山出てる時は邪魔だなあと思っていましたが、全然ないとさみしいもんですね(笑)。25日の北野天満宮の天神市の時は、いいお天気のようですので、そちらに期待してみましょう。
古裂會 第117回オークション下見会
本日開店前に、古裂會(こぎれかい)の第117回オークションの下見会に左京区岡崎のみやこめっせ(京都勧業会館)へ行ってきました。京都は緊急事態宣言が解除されていますが、当然マスク着用、入場時には手消毒と検温はします。今日の私の体温は36.3℃で、問題なく入場しました。屋内施設でのイベントですが、会場が広く来場者も少ないので、いつも通り密になることのないイベントです。今回は地下1階の会場でした。時々、1階の会場での開催の時もあります。
私が到着したのが10時15分か20分頃だったと思いますが、開場直後としては思ったより来場者がいるなという印象でした。でもまあ、30人ぐらいだったでしょうかね。
今回は特集【佛教美術】でしたので、会場が仏像だらけかなと思って行ったのですが、意外に仏像の数は少なかったですね。ペルシャ絨毯なんかもありました。全体に今回は出品数が少なかったですね。韓国の物も今回もワンテーブルしかありませんでした。なので、今回も入札なしでした。
古裂會さんの下見会は、本日16日(火)と明日17日(水)の両日開催されています。本日は10:00~17:00、明日は10:00~16:00の開催です。こちら古裂會さんは、業者だけでなく一般の方も参加できる開かれたオークションという形式を提供しておられることは、毎回ご案内させていただいているとおりです。また今回も、京都での開催前に東京でも下見会が行われていたようです。
次回第118回は5月10日(月)・11日(火)開催予定です。次回は【特集】染織 漆芸木工 一石五輪塔 です。
会場から店へと向かう道、仁王門通りの疎水縁の歩道に、早くも花の咲いた桜の木がありました。今年は桜の開花が全国的に例年より早いそうですね。今年も静かなお花見になりそうで、正直ホッとします。一昨年までのお花見の時期と言えば、夜まで人が多い、道は混むで大変でした。円山公園なんて、朝に行ったらゴミだらけで、カラスがいっぱいゴミをあさっているというという状態でしたから。これを機に日本のお花見文化も、ドンチャン騒ぎではなくて、静かに花を楽しむ方向に変わって行ってくれると嬉しいのですが。で、お酒はうちに帰って李朝酒器でお楽しみいただくということで(笑)。
東寺・弘法市と北野天満宮・天神市の開催決定し、平安蚤の市も27日(土)に特別開催があるなど、今月は京都の骨董関連イベントが多数開催されますので、こちらのネタにも困りませんのでありがたいです(笑)。しかしながら、気を緩めずにイベントに出かける時には、感染予防対策を怠りなく続けて参りましょう。
昨夜の晩酌(久々のダブル初登板の巻)
昨夜の晩酌です。
鶏竜山の刷毛目平盃は、口径が11cm超え(最大径11.3cm)です。このサイズですと、本来は盃としては大き過ぎるのですが、このたっぷりと白泥を使った刷毛目、よいアジのつき方を見れば、酒盃として使わずにはいられませんよね。口縁に金継ぎが2箇所、呼継ぎが1箇所有ります。金継ぎも呼継ぎも大変良くできています。呼継ぎも全く違和感がありません。釉薬にはカセもなく、それどころか酒を吸って艶さえ出ています。一つだけ残念な点を挙げるとすれば、呼継ぎの陶片の方に小石のフリモノがあるということぐらいでしょうか。これでサイズが口径10cm未満だったとしたら、私の手元に来ることは無かったでしょうね。
高麗青磁の徳利は、多分まだ私がソウル在住であった90年代末に仁寺洞の骨董店で入手したものです。青磁の色はそれほどいい訳ではありませんが、サイズがよく(1合2勺程度か?)、形も可愛らしい徳利です。この徳利、高台内に突起があって、膳の上に置いた時に安定が悪いんです。倒れるようなことは無いんですが、突起部分を機軸に少し揺らぐような感じです。口縁に2箇所、金継ぎがあるのは私がしたものなので、うまくはありません(笑)。うまく行かなかったパターンのもので、何度かやり直したのですが、イヤになってしまいそままの状態で放棄してしまいました(笑)。また、プロに整えてもらおうかなとも考えています。
昨夜は久しぶりに、盃と徳利ともに初めてご紹介する品でした。
料理の方ですが、鮭の西京漬けは李朝初期の堅手皿に、茄子と三度豆の胡麻和えは三島の小鉢に、もずく酢は李朝初期堅手の小鉢に、それぞれ盛り付けてみました。
今日が14日ですので、3月も半ばになりました。毎年この時期にはソウルに行っていたのですが、新型コロナ禍で、一昨年の12月以来行けていません。毎年、3月・8月・12月と年3回はソウルに行っていたのですが、今年も行けずに終わってしまうかもしれません。悲しいです。また、ソウルに行って、懐かしい人たちと会って、本場の韓国料理を食べたいです。今年中に行けたらいいんですけどね。まあ、それまでは李朝酒器と食器を使っての晩酌で我慢します(笑)。
平安蚤の市(2021.3)
緊急事態宣言解除後初めて開催の平安蚤の市を見てきました。と言っても、先月の緊急事態宣言発出中にも開催されてましたけどね(笑)。10日ですので、いつものように実家での月参りの後に行きましたので、現地到着は11時過ぎでした。時間的にもそうだったのかも知れませんが、人が多かったですね。
先月も予想外に人の出が多かったことはご報告しましたが、今日も負けず劣らずの多さでしたね。特に今回気になったのは、お客さんが数名密集・密着していて、密状態になっている店舗がいくつか見られたことです。ソーシャルディスタンスが保たれていませんね。今まではあまり見たことのない光景だったんですが、やっぱり緊急事態宣言解除による解放感から来る気の緩みが出て来てるんでしょうかね。心配な光景ではありました。
やっぱり、今回も韓国物は無かったですね。先月、伊万里の染付のお皿がいっぱい並んでいるお店の後方に、李朝の膳があったことを、帰って来て写真を見てから気が付きましたので、あの伊万里のお店を探してみたのですが、残念ながら今回は出ていませんでしたね(笑)。
2番目の写真にあるように、棚に首が並んでいるお店がありました。これ、結構注目されてました(笑)。これはヘアーカットの練習用の首マネキンなのでしょうか?韓国の物が無いとなるとこういうものばかりを見て喜んでいます(笑)。あと、人形が無造作に並べられていたり、箱に詰められていたりするのも、見つけるとつい写真撮ってしまいます(笑)。人形なんて、怖いから絶対買わないんですけどね(笑)。新しい物ならまだしも、古い人形なんて何か憑いてそうで怖いです。人の形をした物は、家には置きたくないです。怒られますね(笑)。
骨董の会のお仲間のTさんご夫婦が、今回も出店されていました。場所は前回とほぼ近いメインの道路の西側の広場のところでした。いつもの「こわれた器直します」の看板が目印です。今月は26日(金)~28日(日)に伏見区竹田のパルスプラザで開催される京都アンティークフェアにも、直しのお店を出店されます。今日も本日の目玉商品は?と訊ねてみたところ、小さいテーブルだったそうですが、もう売れたとのことでした。よかったですね!
平安蚤の市は、平安神宮前の岡崎公園で基本毎月10日に開催される蚤の市で、多い時には150店舗の骨董店、古道具店、古着店が全国より集まります。次回は今月27日(土)に特別開催があります。桜の季節に合わせての開催ということなんでしょうね。ちなみに来月は10日ではなく、4月11日(日)開催予定ですので、お気を付けください。
鯖寿司
今日7日(日)は第1日曜日で、東寺ガラクタ市の開催日です。しかし、タイトルは「鯖寿司」です。そうです。行かなかったんです(笑)。このところ新型コロナ禍で、骨董市は開催中止が続いていましたので、ブログネタとして骨董市ネタが欲しいところではありました。昨夜、今日のガラクタ市に行ってみようかと迷いましたが、やっぱりやめました(笑)。やっぱり、韓国の物を扱うお店が出ないのが分かっているということもありますし、弘法さんや天神さんと違って、骨董だけで飲食や食料品の屋台が出ないので、私には魅力に欠けるんです。骨董屋だから骨董だけの方がいい筈なんですがね(笑)。
しかし、同じ東寺でも弘法さんの時のように境内の人も多くないですし、交通機関(市バス)もそれほど混みませんので、骨董だけゆっくり見たい方にはお薦めです。
それで、タイトルの鯖寿司の方ですが、昨日の晩にいただきました。一本を実家と分けたので、写真は1本の半分です。鯖寿司って、いただけばありがたく食べますが、実はそれほど好きではありません。お寿司自体も、イカ、エビ、貝類などは好きですが、魚のもの、特に背の青い魚の刺身やお寿司は好きではありません。焼いたものは好きですが。もちろん、私は何でも食べますが、自分から買ったり注文して鯖寿司を食べたことはありません。鯖寿司というと京都のイメージがあって、他府県の方には京都の人は鯖寿司が好きだと思われているかもしれませんが、実際には、私のようにあまり好きではない人の方が多いのではないかと思います。
私は鯖寿司を、外でいただく時はそのままいただきますが、家で食べる時には必ず焼いて食べます。まず昆布を外して、鯖をガスコンロの魚焼き機で焼きます。魚臭さや酢の臭いも飛び、香ばしく食べやすくなります。焼いた状態の写真がありますが、私は更にそこに山椒をかけていただきます。
今回の鯖寿司は、祇園のなか一さんのものでした。
昨夜の晩酌(おひな祭りの巻)
昨日、3月3日は桃の節句、おひな祭りでした。毎年3月3日のおひな祭りには、実家でちらし寿司をもらって晩御飯に食べるのですが、今年の例年通りいただきましたので、昨夜はそれで一杯やりました。
ちらし寿司は、これまでご紹介してきたお料理屋さんのテイクアウトのものとは違い、一般家庭の作ですので、その分は割り引いてみてくださいね(笑)。でもまあ、一般家庭の作としては結構いいんじゃないですか。頂いておいて、生意気ですよね(笑)。
徳利と盃は、いずれも以前にこちらで一度ご紹介したことがある物です。
徳利は李朝初期の堅手徳利で、この色なら白磁と言ってもいいのかも知れませんが、実際の色はもっとグレーです。何か、スマホで撮った写真は青く写るんですよね。容量が1合に満たない小さな徳利です。8勺程しか入りません。無傷ですが、高台の周りに貫入が出ています。容量が1合に満たない徳利は、ほとんど出番が無いのですが、おひな祭りなので可愛い徳利でもいいかなと思い、昨夜は使ってみました。
盃の方は、先にご紹介したのは2018年の11月で、まだこの「昨夜の晩酌」に副題を付けていなかった初期の頃になります。見込みに出来たビードロ釉が大変美しいです。窯の中で傾いた状態で焼かれたため、このような大きな釉だまりができた訳ですが、ここまで立派な宝石のようなビードロ釉というのは、李朝の盃では他に見たことがありません。最後の写真で分かるように、傾いたため底の砂付きが一方に片寄っています。口縁に金継ぎが2箇所有りますが、これも合わせていい景色になっています。おひな祭りには宝石のような美しいビードロ釉の盃が似合うかなと思い、昨夜久しぶり使ってみました。時代は李朝末期でいいと思います。過去の紹介記事については、こちらからご確認ください(徳利はこちらをクリック、盃はこちらをクリックの上、ご確認ください)。
てっぱえ(酢味噌和え)は三島の小鉢に、煮豆は高麗青磁の小碗に、それぞれ盛り付けてみました。
3月になりました (2021)
今日から3月です。昨日(2/28)をもって、首都圏の4都県を除く6府県の緊急事態宣言が解除となりました。そんな訳で、京都も昨日をもって解除されました。正直なところ、喜んでいいのやら、これで気の緩みからリバウンドが来るのが怖いやら複雑です。どちらかというと、怖い気持ちの方が強いですね。
そんな訳で、今月はこれまで開催中止となっていたイベントも、多くが再開されることと思います。今月の京都の骨董関連イベントといたしましては、7日(第1日曜日)は東寺ガラクタ市が、21日(日)に東寺・弘法市、25日(木)は北野天満宮・天神市が開催予定です。毎月10日に開催の平安蚤の市(京都市左京区岡崎公園)は、今月は10日(水)の他に27日(土)にも特別開催の予定です。
さらに今月は、古裂會の第117回入札オークションの下見会が16日(火)・17日(水)に左京区岡崎公園のみやこめっせにて開催されます。時間は16日(火)が10:00~17:00、27日(水)は10:00~16:00です。今回は【特集】佛教美術 です。また、今回も先行して9日(火)・10日(水)に東京プリンスホテルで下見会(完全予約制)が行なわれます。
そしてもう1つ、京都アンティークフェアが26日(金)・27日(土)・28日(日)の3日間、伏見区竹田の京都パルスプラザで開催予定です。
緊急事態宣言の解除により、今月は久しぶりに京都で多くの骨董関連イベントが開催される予定です。これらのイベントにつきましては、こちらのブログにて順次ご報告いたします。また今後、開催中止などの発表があった場合は「お知らせ」欄でご報告いたします。
緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ収束には程遠い状態ですので、これらイベントへのご来場についてはくれぐれも慎重にご検討ください。またご来場の際には、マスク着用、手消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、感染防止対策を徹底していただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
李好のヌシ 第八話「白磁と瑠璃の海駄形水滴」
今月も21日の東寺・弘法市、25日の北野天満宮・天神市ともに、緊急事態宣言発出中ため開催中止となりました。新型コロナ禍の方は、日々の感染者数も減少してきたため、京都を含む首都圏3都県を除く自治体では、2月末での緊急事態宣言の解除が決まりましたが、解除による開放感からのリバウンドに気を付けなければなりませんよね。特に3月は、卒業式や送別会などの宴会シーズンですので、大人数での会食による感染拡大が心配されますね。
そんな訳で、今回はまたヌシ様にご登場いただくことになりました(笑)。第八話となる今回ご紹介するのは、白磁と瑠璃の海駄形水滴です。李朝の文房具の中で、筆頭や硯に比べ入手しやすいのが水滴です。その形状は、四角や丸形、六角等から、魚、海駄、桃、亀、蛙、鳥(鶏)等の肖形の物まで多種多様です。今でも入手しやすいのは、瑠璃の魚形、染付の山水紋の四角形などでしょう。瑠璃の海駄も先の2種に比べるとお値段は随分と上りますが、まだ見つかる形の物でしょう。動物の形のもので、蛙、鳥(鶏)、兎などのなると、もう博物館か美術館、または高級なオークションなどでないと見られないものと言っていいでしょう。
今回ご紹介する白磁と瑠璃の海駄形水滴は、形状としては海駄形では比較的よく見られる手のものですが、白磁というのが希少ですし、サイズがよく見られる物に比べ、大きいというのがこちらも希少です。2番目の写真の手前左に同型の物がありますが、こちらのサイズが幅 8.1cmなのに対し、白磁と瑠璃の対の方は幅が 10.0cmあります。そういう訳で希少価値が高く、お値段も高価になります。それ故に、ヌシ様となっておられます(笑)。
今回店にある水滴のいくつかをご紹介しますと、まず2枚目の写真は、手前2点が瑠璃の海駄形水滴ですが、一般的に向かって右側のように、頭が立っている形の海駄の方が希少価値があります。後方は左から比較的よく見られる染付山水紋四角形水滴、中央が染付蘭草紋六角水滴、右が染付宝珠形水滴です。
3番目写真の2点は、鉄砂と辰砂の入ったものです。左が鉄砂、右が染付と辰砂です。2点とも何を描いたものかはよく分かりませんが、鉄砂や辰砂の入った水滴は希少です。特に辰砂の入ったものについてはその数が少なく、水滴に限らず希少価値が高いです。
4番目の写真には魚形水滴が4点ありますが、それぞれに形態、技法が違っています。手前左のものが、よく目にする瑠璃の魚形水滴です。李朝の瑠璃の水滴に中ではまだよく見ることができ、お値段も安価なため入手し易いものです。手前右のものは同じく魚型水滴ですが、鱗を表す技法の陰陽が逆の作りになっています。顔の造りも細目で、背ビレは大きいです。後方左の物も瑠璃の魚型水滴ですが、サイズも大きく、周りに波濤紋が刻まれています。手前部分に白く描かれているのが、お分かりいただけるかと思います。最後に後方右が、白磁の魚形水滴です。海駄同様に、白磁のものは数が少なく希少価値が高いです。したがって、手前左→手前右→後方左→後方右の順で希少となります。したがって、お値段の方もその順番で高価となっていきます。
5番目写真の後方中央の染付蜘蛛巣紋花形水滴は、図録などでもこの図柄は他に見たことがありません。大変希少価値の高い物です。後方右のあるドーナツ型は、李朝独特の形状です。手前中央の白磁面取水滴は七面の面取りになっています。普通は八面なのでしょうが、このあたりが李朝らしいところですね。
最後の写真は、当店のものではなく。韓国の国立中央博物館の所蔵品です。写真の下のハングルは「いろいろな形の白磁水滴 19世紀には蛙・ガマ・海駄・兎・鯉・桃・金剛山・膝・四角・八角・豆腐等、多様な形の水滴が作られた。国立中央博物館所蔵」と記されています。これらの水滴は、韓国で医師として、また李朝陶磁器の収集家として著名な水晶 朴秉來(パク・ピョンネ)氏(1903~1974)の寄贈品です。
朴秉來氏は、収集した陶磁器の多くをを国立中央博物館に寄贈しました。彼の寄贈品は、韓国国立中央博物館2階の寄贈館 朴秉來記念室に展示されています。私がソウルの国立中央博物館を訪れる時、最も楽しみにしており、最も時間をかけて観覧するのがこの朴秉來記念室です。写真手前中央の染付辰砂海駄形水滴は、朴秉來氏が骨董商に1か月以上もかけあって、ようやく入手した品で、嬉しさのあまり白衣のポケットに入れて持ち歩き、時々触ってはその感覚を楽しんでいたのだそうです。
桃の花
昨日、桃の枝をいただきましたので、店の壺に生けました。生けたと言いましたが、実際には壺に挿しただけです(笑)。私はお花もお茶もしない人ですので、生け方としては、これでいいのか分かりません。でも、私の眼にはこれで十分きれいですし、店内が華やいだ感じになったので満足です。
お茶やお花というと、お作法とかなんか堅苦しくて、私は得意ではありません。骨董屋やっててそれではダメなんでしょうけど、まあダメな骨董屋もいていいでしょう(笑)。何の世界でも優等生ばかりじゃありませんからね。
桃の花はまだ少ししか咲いたものはありませんが、蕾がたくさん付いていますので、これからどんどん咲いていくのでしょう。でも昨日の晩よりは、少し咲いた花の数が増えたように思います。私は個人的には、これぐらいか、イヤ、もう少しだけ咲いたぐらいの状態が好きですね。桜でも満開の木より、2、3分咲きの木の方が好きで、美しく感じます。とは言っても、もちろんこの桃の花の残りの蕾が咲いて行くのも楽しみにしているんですよ(笑)。
まだ緊急事態宣言が発出中で、ぜひ見に来てくださいねとは言い難いところですので、お近くまで来られる用事がありましたら、その折にはお立ち寄りくださいね(笑)。
昨夜の晩酌(一時帰宅の井戸手盃の巻)
今日は21日で、本来なら東寺の弘法市が開催され、店を開ける前に見に行ってくるところなのですが、今月もまた、新型コロナ禍で開催中止が決まっていました。25日の北野天満宮の天神市の方も、昨日こちらの「お知らせ」欄でご報告したとおり、中止が決定されました。共に先月に引き続きの開催中止です。まあ、まだ京都で緊急事態宣言が発出中ですからね、仕方ないですね。むしろ、10日の平安蚤の市が予定通りに開催されたのが驚きでしたけどね。
昨夜の晩酌です。昨日は祇園南側の祇園 椿さんのお弁当をいただきましたので、これで一杯やらせていただきました。祇園椿さんは、私の実家の近くにあります。ここは新しいお店で、できてから10年なるかどうかぐらいだったと思います。私はお店の方には行ったことがありません。
お弁当は、ひょうたん型のご飯の周りに、焼き物(焼き魚と出し巻)、煮物(筑前煮)、南蛮漬け、小松菜とお揚げの炊いたん、牛肉とごぼうの金平などが配されています。以前にも、こちらのお弁当をいただいたことがありましたが、その時の物の方がうなぎの蒲焼などが入ってて豪華でしたね(笑)。
白黒象嵌の三島徳利は、2年前に一度ご紹介したことがあります。その際、象嵌で描かれた模様の名称が分からなかったのですが、今もやはり分かりません(笑)。形もよく穴が大きいので使いやすい徳利です。写真のように口に金直しがありますが、容量は1合2勺程度と独酌に丁度よいサイズです。写真にはありませんが、いい塗箱に入っていますよ。(過去の紹介記事(2019年06月16日作成)へはこちらをクリック)
井戸手の盃は、店頭に置いているものですが、久しぶりにこれで飲んでみたくて、昨日持ち帰りました。今はもう既に、店の棚の元の位置に戻っていますよ(笑)。口径7cm、高さが5cm弱とぐい吞みとしていいサイズです。貫入が深く、ここまで来ると美しいですね。形が筒のように立ち上がっていますし、高台周辺には釉薬がカイラギ状になっているところが見られます。こちらも箱に入っていますが、箱には張り紙をして「井戸」ではなく写真のように「伊戸」と書かれています。
山芋のオクラ・モロヘイヤ和えは、李朝末期の染付小鉢に盛り付けてみました。